理由

付き合ってた人に振られたときは死ぬかと思ったし死のうと思った。割と初期に恋のときめきは冷めてしまっていて、心をつかまれることはどんどん少なくなったんだけど。そうじゃなくて彼は私の基準で常識で狭い世界の真ん中だったのかもな。面白いとか楽しいとかを自分ではよくわからなくなってて彼が思うものに沿うほうが楽だった、常に一緒にいたかったしすべてを支配したかった、洗脳するように圧力をかけた。けど逆に私が一人で生きられなくなっていっただけだった。彼の事ならなんだってわかった。ずっと考えていたのだもの。自分のことをわかっていなかっただけで。

私の思いどおりにならないことがあればすぐ拗ねた。私が彼の基準であるはずだった。現実はいつも鏡写しのよう。

死のうと思ったのはその世界を自覚して出ていくことの面倒くささに絶望したからだろうか。今になってその強烈な感情の理由がわからない。どのように好きだったのかもよく思いだせない。顔も声も名前も髪の毛も全部好きだったけど何も思い出せない。楽しかったことだけたしか。