同居人A

手帳をつけようと思う。紙の。

 

同居人Aといろんな話をしている。多いのは幼少期の事、学校や地元の事、家族。死の扱い方についても結構な頻度で話しているようにおもう。自分はどう死にたいのか、家族や身の回りの人にはどう死んでもらいたいのか。死んだらどこに行きたいか、自分はどこから来たと思っているのか。夢で見た世界と現実のかかわり、目には見えないオカルトなことがらも、信じているというよりは、あるのだろうなという感じ。私たちの力の及ばないところまで妄想しては語り合っている。

悪口だってたくさん言っている。

思いだすといつだって恥ずかしいが、愛や人生にいたるまで。

彼女は恋人のことを悪く言うが、想って涙することもある。どんな相手であれ、とても大切ということだろう、そういう人に出会えた彼女が羨ましい。

 

 

一度仕事をやめたときに、私は今まで3年以上人間関係が続いたためしがないこと、続ける気さえないことを長々とまくし立て、だから私たちが会うのはこれで最後ですと、彼女がいる前で上司に言ったのだが、早々に復帰し上司とは再開した。舌の根も乾かぬうちに。そんな気まずさも同居人Aは笑いとばしてくれる。

本当は彼女のような、人間関係をずっと保てるひとが羨ましいのだ。幼馴染がいるなんて信じられない。

私が人とのかかわりを切ってきたのは、長く続ければ続けるほど、うまくいかなかったときに傷つく可能性を減らそうとしての無意識の選択かもしれない。裏切られたときにかなしくならないために、そもそもの人間関係からだめにしているのかも。なんだかださい。へっぴり腰で逃げているのと変わらない。